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春 新しい一歩

春 新しい一歩

[スピリッツネットワーク:工藤 健 (№197)]
冬からなかなか抜けきれない今年の3月、幼稚園の卒園式、小学校・中学校・高校の卒業式があり、ようやく春がのぞき始めた4月に入って、幼稚園入園式、高校・大学の入学式にと参列をしました。そのほとんどは親としての立場ではありませんが、それぞれの成長の過程のひとつの区切りとして、子どもたちが潔く巣立ってゆく、あるいは、新たな世界へ踏み込んでゆく、その姿に立ち会いながら胸を熱くしていました。
そのどの場面でも、緊張と不安、夢と希望が交錯する子供たちのその表情や姿勢が、頼もしくも見え、りりしくも思えて、例え実の親や家族ではなくても、その行く末に大きな可能性を願うとともに、明るく輝く社会を期待しないわけには行きません。
毎朝の小学校の登校指導をしていて、子供たちの顔ぶれも少し変わりました。新しい一年生が黄色い帽子と黄色いランドセルと(時に)黄色い傘を持って、元気よくやってきます。二年生は黄色いカバーがはずれて、少しお兄さんお姉さん気分のようです。小学生だった子どもが、いつのまにか中学校の制服をまとって、大きなカバンを背に足取りもしっかり通っていきます。姿が見えない中学生は、卒業したのでしょうか。新しい高校一年生が、早々と自転車に乗って、さっそうと通り過ぎます。
どの子どもたちも生徒も、ひとつの階段を上り、次のステップへ進んで行きます。
「おはよう」と声を掛けながら、春風が吹き木々が芽吹く季節の、そのにぎやかで元気な息吹を楽しんでいます。
大学や専門学校の卒業と入学もあり、社会でも新しい人材が加わりました。また、役所や企業では人事異動を経て、少なくない人が住まいも含めて入れ替わります。その数は、都市部では人口の約5%が入れ替わるとも言われています。県庁所在地であり、出先機関を含む官庁街を背後に控えている新町商店街も、お客様の顔ぶれに少なからず変化があるものと思います。
小さな別れと出会いの連続の中でも、言葉のやり取りやいくつかの商いによって、見えない信頼が生まれます。商店街はその小さなつながりの集合体でもあります。
この春は、新たなお客様に新鮮な気持ちで新しい結びつきを作るチャンスです。商店街ならではの「お得意さん」「お馴染みさん」を増やす機会です。私たちも、笑顔と挨拶で繋がる新しい一歩を踏み出しましょう。

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